「矯正って痛いんですよね?」といった質問を受けることは少なくありません。
「すごく痛い…」「辛くて眠れない」といった矯正中の声を聞くことがあります。
マウスピース矯正は、ワイヤー矯正と比べて痛みが比較的穏やかだとされていますが、痛みの感じ方には個人差があるのも事実です。
そこで今回は、矯正中に生じる痛みの主な原因と、痛みを軽減するための対処法について詳しくご紹介します。
歯列矯正、特にインビザライン矯正では、歯を徐々に正しい位置に動かしていきます。この過程で使用されるマウスピースは、一定の力を歯に加え続けることで、歯や歯根膜、さらには骨を徐々に動かし、理想の歯並びへと導きます。
この力が原因で、歯やその周辺組織に痛みや違和感が生じる可能性があります。
マウスピース矯正は、歯が少しずつ理想的な位置へ移動するため、その過程で歯や歯ぐきに違和感や痛みを覚えることがあります。
現在の歯並びと理想の位置とのズレが大きい場合ほど、圧迫感や締めつけられるような痛みが強まる傾向があります。
歯の根元を覆う「歯根膜」は、歯の移動を支える重要な組織です。
マウスピースによる力が加わると、歯根膜が伸びたり縮んだりして骨の再構築が起こります。この状態では歯根膜が非常にデリケートになっており、少しの刺激でも痛みを感じやすくなります。
特に、硬い食べ物(例:煎餅やステーキなど)を噛むときに強く痛むことがあります。
矯正用のマウスピースが歯ぐきや口の粘膜に当たることで、擦れや違和感を生じる場合があります。
また、歯の表面に取り付けるアタッチメント(小さな突起)も、マウスピースを外した状態で粘膜に触れると刺激となり、食事や会話の際に口内を傷つけてしまうことがあります。
上下の歯の位置を整えるために使う「顎間(がっかん)ゴム」は、歯に引っ張る力を加えるため、装着後に痛みを感じることがあります。特に、かみ合わせの調整段階で強い力が加わると、圧痛や違和感が出ることもあります。
マウスピース矯正は1日20〜22時間の装着が必要です。この装着時間を守らずに長時間外してしまうと、歯が元の位置に戻ろうとし、その反発で痛みを感じる場合があります。特に1日以上外してしまった後にマウスピースを再装着すると、「きつい」「押されるような痛み」といった症状が出やすくなります。
快適な矯正を続けるためには、指示された装着時間を守ることが大切です。
多くの患者さまは、新しいマウスピースに交換した直後の1日から2日間が、痛みのピークとなることが多いようです。この期間、歯は新しい位置に向かって動き始めるため、強い圧力がかかります。
ただし、多くの場合、3日ほどで慣れていきます。
インビザライン矯正を始めたばかりの時は、特に最初の数枚のマウスピースで痛みを感じやすいです。しかし、患者さまによって個人差があり、痛みをあまり感じない方もいらっしゃいます。また、治療が進むにつれて、歯や口内がマウスピースに慣れ、痛みを感じにくくなることもあります。
インビザライン矯正中の痛みには個人差がありますが、痛みが強い場合は以下の対処法がおすすめです。
冷たいものは痛みや炎症を和らげる効果があります。
痛みが強い場合、短時間外して血流を回復することも一つの方法です。ただし、1日20時間以上は装着するようにしましょう。
医師の許可を得た上で、市販の痛み止めを使用することができます。
インビザライン矯正中の痛みは、歯が動く過程で生じるものです。痛みのピークはマウスピースを新しくした直後の1~2日間ですが、この期間が過ぎれば痛みは軽減していきます。痛みが強い場合には、歯科医に対処法を相談しましょう。インビザラインは、適切なケアと管理のもとで行えば、効果的かつ快適な矯正治療法です。
仙台でインビザライン矯正をお考えの方は懸田歯科医院までお気軽にご相談ください。